野犬を家族に迎えよう~野犬のトリセツ~

2016年4月7日

野犬とは?「人に飼われたことがなく、野生化した犬」

 

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※写真はイメージです

 鳥獣保護法では、山野で自活している「ノイヌ」は狩猟鳥獣であり、銃や罠による狩猟が可能であるとされています。人間から一時的に離れているような状態の「ノライヌ」は非狩猟鳥獣にあたり、狩猟することはできないとされています。その判別は容易ではなく、「野犬」「野良犬」の区別はつきにくい場合もあります。

 野犬は、「人に飼われたことがなく、野生化した犬」という捉え方が一般的です。群れをなして、家畜を襲ったり、人間を襲ったりする野犬も存在します。昔ながらの野犬と、無責任な飼い主や廃業した業者が野山に捨てた犬とが交じり合い、最近では小型化・猟犬化しています。そういった野犬は人に慣れやすく、飼いやすいのです。

 「野犬」と判断されると、公示期間も設けられずに即刻処分されてしまう地域も今だ多いようです。最近では譲渡対象になる、または譲渡対象外ではあるがボランティアさんによる行政への働きかけのもと、里親募集をかけることができる野犬も多くなりました。

 「野犬」はもともとが人間が捨てた犬の子供達。野山で必死で自活して生き延びてきた命です。ほとんどの野犬は人間の近くでしか生きれないのです。なので、人間に見つからないよう、息を潜めて行動しなければなりません。そして通報され、捕獲される。即、処分となる。余りにも救いがなさすぎます。

 

飼育するにあたって、知っておきたい野犬の特徴

野犬は厳しい環境の中生き延びてきた賢い子達です。人間に慣れていないだけです。危険を察知する能力くなければ生きてこられなかった子達です。自分の周りの環境を観察することに長けている為、「ここは大丈夫だ」と理解するのも早いのです。

◆身体能力が高い

一般の家庭犬とは違った動きをします。跳躍力があり、想像もしないようなところに逃げこみます。サークルの柵などは楽々飛び越えてしまう子も多いようです。

 

◆社会性がある

親や兄弟と引き離されずに育っていると思われる為、他の犬ともいい関係を築くことができます。先住犬が他の犬が苦手な場合等を除き、多頭飼いにも向いています。恐怖におびえているような場合を除き、吠えや喧嘩は少ない傾向にあります。

 

◆音や不意の動きに敏感

生活音は直になれますが、予測できない音(人が何かを動かしたり置いたり、物を落としたり、)に驚くことが多いです。散歩時も人や自転車や車が怖いのはもちろん、不意に出てくる人や猫、工事の音などにも驚きパニックになる場合があります。室内にいる場合でも台風や雷、強風(花火)などを怖がることもあります。

 

◆水を飲む習慣があまりない

水は一気に飲むことが多いようです。ご飯に水分を多めに入れてあげると、全体的(毛や目、鼻など)に潤ってきます。慣れないうちは排せつも一気に済ます傾向が強いといえます。排せつは環境に慣れたり、散歩に行くようになると回数が多くなります。

 

◆表情が豊か

人間との生活ではびっくりすることが多く、はじめてのことだらけ。表情や態度にはっきり出る子が多く、野犬との生活は思わず笑ってしまう楽しさがあります。

◆あまり吠えない

あまり吠えない子が多いので、マンション飼いにも適しています。お留守番も得意です。

 

野犬飼育のポイント

 野犬は「人馴れしていない保護犬」よりさらに高レベルの「回避・逃走本能」が働くので想定外のことが起こる可能性が高いとされています。なので譲渡対象になることが難しいのです。飼育には慎重さ・根気強さが求められます。

 ですが、一般的な保護犬に見られる可能性がある「前の飼い主の飼い方によるクセや問題行動」というのはありません。

 一般的な子犬よりも「人間と暮らすこと」についての感覚がわからないのです。その点を十分理解してあげれば、優れた感性を持っているので「人間と暮らすこと」にも慣れます。年齢・性格等による個体差はもちろんありますが、驚くべきスピードで慣れる子もいます。

 野犬にとって、人間との生活ははじめてのことだらけです。どうか、十分慣れるまで、絶対におこらないであげて下さい。

 

★そっとしておくことは大切、そっとしておくだけでは仲良くなれない

お家に迎えた当初はそっとしておいてあげることが必要です。生活環境自体になじむまでそっとしておく、人間は普通に生活する。大丈夫そうなら、声をかける。そっとさわってみる、唸るようならやめる。様子をうかがいながら、そっとしておく。声をかける、おやつをあげる、そっとさわる。などを繰り返し、段々慣れてきたら、リードをつける練習をしたり、お散歩に行ったり、シャンプーしたり。今後一緒に生活する上で避けては通れないことの練習を少しずつするのが良いと思います。

ここぞ、という時には気合を入れて、取り組むことが重要です。「多少唸れば、すぐやめる」と野犬に学習させないことが大切です。(野犬に限らず、どの犬も同じですが。)

 

★キレイ好きな子が多く、トイレを覚えるのは早い

ケージ+クレートに入れている場合、トイレはクレートを出てシートにする子が多いです。シートに何回も用を足すと、シートで排せつするということを理解するようになります。ケージを外した場合でも、寝床に遠いところにトイレシートを何か所か置いておけば、そこで済ますようになります。または粗相をした場所にシートをおくか、トイレにしたい場所におしっこの匂いを少しつけたシートを置くと覚えやすいようです。

 

★首輪は絶対に抜けないものを

室内でも首輪は必須です。人間が首輪を持って制御できるということを野犬が理解すれば、散歩やシャンプーなどはじめはいやがる行為もやりやすくなります。

一般の家庭犬なら首輪に指二本分の余裕をみますが、野犬の場合指半分(一本入らない位)位がいいようです。リードなどに反発がある場合、首輪を抜こうとするので、頭蓋骨を通り抜けない首輪が望ましいのです。

 

★基本は室内飼い

室内でも係留(噛みちぎれないチェーンリードが望ましい)するのが基本です。ケージやサークルの柵を飛び越えようとする場合、首つりになる可能性もあるので厳重な注意が必要となります。飼育当初は特に気をつけて上げてください。長時間のお出かけの際はチェーンを短くして仕切りを乗り越えられないように注意して下さい。

チェーンリード+クレートでの環境が危険が少なく、散歩のリードも付けやすいと言われています。チェーンをつけない場合でも、クレートを安心できる場所として認識できれば、飼育がしやすいようです。

外飼いの場合ならチェーンリード、抜けない首輪は必須です。

室内飼いでも外飼いでも、電話番号が明記できる首輪、迷子札をつける、など迷子対策も忘れずに!逃走させてしまうと、身体能力の高い野犬は捕まえにくいので、十分注意して下さい。

 

★散歩に連れ出すには

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※右:首輪+カナビラ+ハーネスのダブルリード

抜けない首輪×2 のダブルリードか、首輪+ハーネス(カナビラでつなぐ)でダブルリードが安全です。

※カナビラは首輪とハーネスをつなぎます。リードにはつながないで下さい。

装着ができれば、散歩に連れ出します。慣れるまでは、人の少ない時間帯がいいかもしれません。

はじめは怖がります。玄関から外を見るだけ⇒少しづつ外へ、という感じで進めて下さい。中々、外に出たがらない子もいます。抱っこが大丈夫なら、人の少ない公園や空き地などに連れて行って、帰るを繰り返すと慣れる子もいます。クレートのまま外に連れ出す方法もあります。

あまり怖がらせるのもよくないですが、カートや車で広い野外に連れ出し散歩させるなど、たまに違ったアプローチをすると、普通の散歩がスムースに上達する場合があります。パニックになって逃走しないよう、十分な注意は必要です。

 

野犬を家族に迎えるにはどうしたらいいの?

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※野犬のビフォー&アフターです。是非、野犬を家族に迎えてあげてください。

野犬を取り扱っている行政の譲渡のページを見る、SNSなどで「野犬の里親募集」をかけているボランティアさんに連絡を取る、というのが一般的ですので、こちらにできるだけ情報を集約したいと思います。(随時更新予定)

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◆福岡から野犬を迎えよう

譲渡対象外となった野犬・飼育放棄された犬などの里親募集をされています。まずは登録ボランティアさんとやりとりして頂きます。搬送費は実費。

こちらのセンターでは、フィラリア・ワクチン・シャンプーなどを済ませてもらえます。

※これらの対応は行政・センターによって異なりますので、ご了承下さい。

FACEBOOKページ

ペットのおうち

繋ぎたい命・繋がった命では福岡から呼びかけ「繋がった命」、および現在募集をかけている「繋ぎたい命」を発信しています。福岡の登録ボランティアさんはもともと猫子堂という猫レスキューのボランティアさんです。期限切れの野犬や一般譲渡から外れた犬達を見過ごせず、個人で登録されています。野犬や飼育放棄された犬達の情報を見つけやすくし、メッセージが繋がりにくくなることを防ぐため、協力者で管理しています。お問い合わせなどは代理で承りますので、気になるワンちゃんがいたら、メッセージお待ちしております。

 

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◆保護犬カフェ 一般社団法人guardian (←FACEBOOKにの里親さまの募集情報が掲載されています)

神戸にあるSoeurs cafe bar+wan(スールカフェバープラスワン) 新開地 ドッグカフェ BARです。保護犬に家族を見つける取り組みをされています。野犬の子達も多いです。公園が目の前という開放感あふれるおしゃれなカフェBARです。是非、遊びに行ってみてください。

 

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◆岡山県倉敷市から野犬を迎えよう

原則、倉敷市在住者ということですが、現地に行くことができれば譲渡可能となる(審査などあり)ケースもあります。是非、お問い合わせ下さい。

倉敷市保健所

 

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◆岡山県動物愛護センターでも野犬が収容されています。現在、全ての情報発信ができているわけではありません。

そこで、野犬を含め殺処分対象だった犬達を引取り里親募集をしている個人ボランティアさんしあわせの種たち」さんまで、ご希望・お問い合わせをして頂ければ、ご希望に合うワンちゃんを引き出すことが可能です。県外譲渡もできます!!「しあわせの種たち」さんで保護されているのは、ほとんどが野犬の子達です。

 

センターからワンニャンを迎えて下さった里親様方の集うしあわせ咲かせ隊」というグループページでは、元野犬の子や殺処分対象だった子達が幸せに暮らしている姿がご覧いただけます。

 

 

 

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人間におびえていた子が、人間を信じてくれるようになる、この喜びは格別です。野犬を飼育されている方は、みな口を揃えてこういいます。「野犬はビビりだけど、本当に賢い」と。

犬として非常に成熟している野犬を、是非家族に迎えて下さい<(_ _)>