南国の離島問題~知ってほしい沖縄宮古島の犬事情~

2016年10月1日

 

「放し飼いやめて」/宮古保健所管内

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2016年度第1回宮古保健所管内健康危機管理対策連絡会議が21日、同保健所健康増進室で開かれた。「宮古島の犬事情の現状と対策について」の報告では、咬傷事故は人口10万人あたりで同所管内は全国、県に比べ圧倒的に高い数値であることが示されたほか、咬傷犬の75%が飼い犬であることも報告された。今後の対策としては、放し飼いをしないことや関係機関の連携強化を図り、犬の登録徹底、狂犬病予防接種率の向上を図ることなどを確認した。(中略) 

同所管内における犬苦情件数については「野犬取締」「放し飼い犬」「居住環境等」とも、2014年から一気に増加。15年も高い数値を示している。苦情が増えている理由について、同所では

▽「放し飼い」が日常の風景になっている可能性が高い

▽ハブが生息していない(野犬の増加要因)

▽ボランティアが少なく(宮古はゼロ)、動物愛護推進員の育成が進んでいない-などを上げている。(後略)

宮古毎日新聞より一部転載 2016年7月22日

 

安定した人気を誇る観光地・宮古島の知られざる犬事情

沖縄の離島で観光客数が多いのは1位が石垣島で111万人。2位が竹富島で52万人、3位が宮古島で43万人という順です。(H26年度沖縄県統計データより)H25年3月に新石垣空港がオープンして以降、石垣島人気はうなぎ登りとなっています。一方、宮古島はH14年34万人(石垣島は71万人)、H18年40万人と安定的な人気を保っている島といえます。

そんな宮古島では、美しい風景とは裏腹に、あまり知られていない悲惨な犬事情があるのです。

南国の離島に詳しいボランティアさんのお話しによると、現地ボランティアがおらず里親募集の情報もSNSで見かけない、石垣島のボランティアさんからは本当に酷い状況だと聞いているとのこと。放し飼いの犬、捨てられて野良犬や野犬になった犬が、どんどん子供を生み、それをどんどん捕獲、沖縄本島に送り多くの犬達は殺処分されているといいます。

行政は捕獲、捕獲の一辺倒

宮古島の保健所に改善をしてもうらう為、7年前から担当者と会い話し合いをされていた方にお話しを伺いました。この7年間で保健所の対応は変わらず、ホームページに収容犬情報を出してくれるようになったことぐらいだといいます。その方は現在、島を離れ本州に引っ越されているのですが、宮古島に行かれた時には行政との話し合い、啓発活動などをされています。

何よりも、捨て犬が多いそうです。「放し飼いをしない」「避妊・去勢」「終生飼育」を広め、蛇口から閉めること、島民の意識から変える必要があります、と声を上げて啓発活動もしてきたそうです。自作の啓発ポスターをスーパーや本屋に貼っていたところ、それに共感した宮古島在住の本州出身の方が動物病院とタッグを組み、数名の仲間で立派な啓発ポスターを作成し、現地で貼って下さっているそうです。このような動きが広まってくれたらと、その方は切に願っておられます。

行政は捕獲強化に一辺倒で、捕獲業者は6社(2015年時点)だということ。啓発に力を入れてくれていないと実感されています。7年前の担当者の方は、「他の業務があり、啓発にまわす経費も時間もない」、昨年の担当者は「沖縄本島の愛護センターに居た時は、犬のことだけやっていた。」とおっしゃっていたということです。

 

捕獲数252頭に対し30頭が舎内で死亡、その原因は野外生活でのパルボウイルス等への感染

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※写真はイメージです

宮古島保健所の資料によると「平成24年度の捕獲数217頭に対して舎内死亡が34頭(譲渡12、移送144)、平成25年度の捕獲数252頭に対して30頭(譲渡10、移送173)。」と掲載されています。

譲渡はとても少なく、舎内死亡の多さが目につきます。保健所によると、
・平成24年度34頭のうち21頭が安楽殺処分、13頭が病気等による死亡
・平成25年度30頭のうち10頭が安楽殺処分、20頭が病気等による死亡

ということで、その原因については、「宮古で捕獲される犬は野生の子犬が多いのですが、野外でパルボウイルス等に感染している個体が多く、収容中に衰弱するケースが多々あります。回復が見込まれない場合は安楽殺処分しますが、そのまま死亡してしまうことがあります。その都度犬舎等の消毒を行って感染症の蔓延には努めているところです。」ということでした。

野犬が多い地域では、収容後すぐにワクチンを打つなどの対策を行っています。感染症が蔓延した茨城のセンターはワクチン接種に切り替えたそうです。

台風で船舶の欠航が多くなり、収容頭数が増えた時が危機的状況

 

「台風襲来が多い年は、沖縄本島まで移送する船舶の欠航が多くなるため、収容頭数が増えた場合はやむを 得ず保健所内で安楽死処分を実施しています。また、捕獲の際のケガはほとんどありません。夏場の収容所での空調設備(温度設定)は28℃以下、天候にもよるがほぼ毎日外に出している。」これは以前(2015年)に保健所とやり取りされた方への返答です。

また、犬舎の収容頭数は、成犬であれば15頭、子犬であれば30頭くらいが限界で、収容数が満杯になる前に、収容期限(5日間)切れた子については沖縄本島の動物愛護管理センターに移送しているということ。

宮古島保健所には猫専用の施設はなく、収容した場合には個別の檻に入れて犬と離すようにしているそうです。猫の収容は少ないそうですが、写真は掲載されていません。

 

必要なのは現地から発信してくれるボランティア

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※写真はイメージです


宮古島保健所の担当者によると、「本島から里親になりたい方がおられた場合ですが、宮古保健所の収容犬は沖縄本島の動物愛護管理センターに移送されますから、センターから譲渡という形で里親になることが可能です。
もし宮古保健所のHPをご覧になって気に入った犬がおりましたら、私どもからセンターに連絡し、センターでの譲渡手続きが円滑に進むようにすることも可能です。」ということです。

やはり、大方の人にとっては、沖縄本島まで気軽に出かけて行くのは難しい。、宮古島のボランティアさんにSNSなどで発信して頂き、沖縄本島のボランティアさんから搬送の手続きをして頂けるのと犬たちの受け皿が拡がると思われます。

「現地ボランティアの方がいらっしゃいましたら、殺処分も減ると思いますので、ご協力していただける方を探していきたいと思います。
また捕獲数=徘徊犬の数を減らせるよう、犬を放し飼いしたり捨ててしまったりする飼い主への指導や普及啓発を徹底していきたい所存です。」

上記ニュース記事にもありますが、宮古島保健所の担当者によれば、やはりボランティア不在だということです。現地にも預かりボランティアがおられたということを聞きましたが、行政とのコンタクトは取っていないということかもしれません。個人で預かりをして島内で里親募集をされているようです。昔は保護団体もあったということですが、いまはありません。

今は、この現状を皆さまに知ってほしい

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島民の意識を変えるのは難しいといいます。保健所の方も、現状を変えようと動いていた方も、その壁にぶつかっているようです。若い世代に交代すれば変わるということでもないようです。若い世代も「放し飼い」をして、行政の注意に耳を貸さない人もいるといいます。

とにかく犬の地位が低く、本土の人は耐えられないような酷い光景をに目することもあるのだとか。耳を疑うような酷い話を聞くこともあるそうです。

宮古島の中にも、動物に愛情を注いでおられる方は多いのですが、一部の島民の行いに胸を痛めておられます。

離島の保健所では出来る事は限られています。変えようと尽力されているボランティアさんも、そのことを十分に承知されており、保健所への苦情は望まれていません。本来の業務が滞り、犬にとっても良くない方向に転ぶかもしれないとの懸念があります。

知られざる宮古島の犬事情を、皆さまに知って頂くのは大切なことだと考えておられます。
 

宮古島保健所への苦情の電話等は業務に支障を来す可能性があるのでお辞めください。

宮古島保健所の犬・猫収容状況

 

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