東大阪市動物指導センター所長による講演会「殺処分ゼロは目的ではなくあくまで結果、大事なことは人間の意識」 HWJ東大阪主催講演会②

2016年9月24日

犬の場合、適性判定に数ヶ月かけることもある

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※現在、センターに収容され譲渡対象となっているウスくん(2016/9/19時点)

2016年9月17日、HWJ東大阪さん主催の講演会:第2部は東大阪動物指導センター所長によるものでした。

まず東大阪市動物指導センターの業務は、狂犬病予防法と動物愛護管理法等にのっとり業務を行っていることの説明から始まりました。

そして引き取りの件数を減少させるためにも、譲渡支援システムである「出会いの広場()」を設けて、動物を譲りたい方と動物を飼いたい方とのマッチングを支援しています。平日にセンターに来られない方の為に、年2~3回程休日に譲渡会の開催も行っているということです。

犬の場合、収容については7日間HPに掲載し、飼い主が現れなかった場合、判定に入ります。飼い主が持ち込み、やむを得ず引き取りをした場合でも同様だということです。二次判定はワクチン接種等が終了後、散歩をしながら攻撃性などのチェック、問題行動は矯正を行い、場合によっては数ヶ月適性判定をかけることもあるそうです。

適性と判断されると、マイクロチップを挿入、トリミングなどを施し譲渡に備えます。(譲渡を希望される方は、事前に犬の譲渡制度への申込みが必要となります。東大阪市外でも可。)センターで対面し、2週間のトライアルに入るという流れになります。

東大阪市の場合、犬の収容件数は少なく、子犬はほとんどいないということ。 理由としては、放し飼いが減っており、繁殖コントロールができているのではないかという見解だそうです。

★譲渡対象のワンちゃん(数ヶ月ここにいる子もいます) 動画はこちらから

 

猫の不妊・去勢手術に上限5000円の助成金

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猫の譲渡については、犬より一年遅れて始まったそうです。子猫の場合、自力で排せつができ、外見上健康で、各種検査が陰性だった場合に譲渡対象となります。成猫も各種検査が陰性だった場合に譲渡対象になります。

譲渡対象の猫ちゃん

収容は、やはり子猫が多く、繁殖コントロールができていないとのことです。年間およそ400匹の猫が殺処分になる現状を打開する為に、また地域における猫の被害の軽減と猫の室内飼養や適正飼養の推進を図り、不妊去勢手術費用の一部を助成しています。(市内の病院で一匹5000円・1200匹に達した時点で終了。)今のところ、申請の80%は野良猫だということです。

 

 行政殺処分ゼロはあくまで結果、路上で轢かれて死亡した猫は年間2600~2700匹

東大阪市には炭酸ガスの殺処分機がありますが、現在使用しておらず、処分は注射で行っているそうです。「殺処分ゼロ」にしたい気持ちはもちろんあるが、ゼロを目的にしてしまうと、「引き取らなければいい」ということになります。不適正飼養のケースや、飼い主の生活が破たんしているケースなど、引き取らざるを得ないこともあります。

負傷動物として収容された猫は65匹ですが、路上で惹かれて死んでいる猫は試算すると年間2600~2700匹になるそうです。殺処分ゼロは目的ではなく結果であり、一番大事な事は動物を愛する事、人間の意識、そして適性飼養・適性管理だということです。(講演会終了)

 

外に情報発信し、よりよいセンターにしようと活動するHWJ東大阪

講演会後に「何年か前、東大阪のセンターは飼い主への返還のみで、譲渡はしないということが問題になっていましたが何故そのようなことになっていたか」を所長にお伺いすると、「当時は収容施設の設備がなかったから」だということでした。

今年7月に東大阪市に収容されていたトイプードルは噛む犬と判定され、譲渡対象にはなれず残念ながら殺処分されてしまいました。本来ならすぐ処分されるところを、2ヵ月以上もセンターの職員さん達はなんとかしようと努力されていたといいます。HWJ東大阪さんもこの子を何とか助けようと厳しい条件を了承して下さる里親さんを探し出したのですが、第三者を介したやり取りで行き違いが生じ、処分になってしまったそうです。

動物行政について、前例のないことをなかなかやろうとしないのがセンターや保健所というところ。やれば仕事や苦情が増えるからです。

HWJ東大阪さんは外に情報を発信し、職員さん達と共に東大阪市動物指導センターを変えて行こうと努力されています。またこのような講演会などのイベントを開いて啓発活動にも力を入れておられます。東大阪市動物指導センターがHWJ東大阪さんと手を取り合い、大阪の動物行政を底上げしてくれるようなセンターに変わって行くことを応援しています。