ハウンド系化、小型犬化する野犬たち

2015年12月4日

赤城山麓に野犬繁殖

 前橋市保健所が12年度、市内全域で保護して飼育を希望する人に譲渡した子犬167匹のうち、ほとんどが赤城山麓の野犬が生んだものだった。子犬の保護数は全国の保健所の中でも「突出して多い」(担当者)といい、7日現在、17匹が保健所に収容されている。(※2014年)

 同市保健所などから50匹以上の子犬を引き取って世話をしてきた前橋市内の主婦(58)は「心ない飼い主がいなければ野犬もいなかったはず。数を増やさないためには、世話や去勢・避妊手術をしっかり行ってくれる人に譲渡していくしかない」と語る。前橋市も手をこまぬいているわけではない。

 市保健所は、野犬を捕獲するため、よく見つかる場所にオリを仕掛けている。ただ、生殖能力を持つ親犬は警戒心が強く、ほとんど捕まらないという。

 今年からは個別に譲渡するだけでなく、月1回のペースで市民対象の譲渡会を開いている。市保健所の獣医師斎藤啓子さんは「多くの市民の方に譲渡会に足を運んでもらい、現状を知っていただきたい」と話している。

 

読売オンラインより引用2014年03月08日

 

head-258347_1920※写真はイメージです

山に置き去りにされる狩猟犬

 群馬県では猟犬の保護も多く、高崎動物愛護センターによると12年度に保護した猟犬は20匹を超える勢いだったといいます。狩猟期間中や終了後に多く収容されます。猟犬として訓練を受けている犬は、帰巣本能が高さが求められ、ハンターである飼い主とはぐれても帰ってくるのが通常です。同様に、猟で使う車や場所を覚えさせるなどの訓練は、狩猟犬にとって必須といわれています。

 群馬県ばかりでなく東北などにも、関東方面からハンティングをしに来るハンターが多いそうです。猟で生計を立てるのではなく、レジャー目的です。猟犬を扱えないハンターが、犬とはぐれて置いてかえってしまうのでしょう。次のシーズンまで飼養する手間や費用を出し惜しみ、山に犬を放置するハンターもいるそうです。

 鳥獣保護法の改正(2015)により、種によっては農作物保護の為、積極的に捕獲を進めて数を減らす方針となりました。都道府県が計画を作り、一定基準を満たす団体や企業を認定業者とし、知事が認定します。ただし、専門の狩猟者の高齢化などから「誤射などの事故の可能性が高まる」と懸念する声も上がっている状況です。(※日本農業新聞 参照)

dog-263601_1920※写真はイメージです

非情なハンターに狙われるかもしれない、二重の悲劇 

 

 鳥獣保護法では、山野で自活している「ノイヌ」は狩猟鳥獣であり、銃や罠による狩猟が可能であるとされています。人間から一時的に離れているような状態の「ノライヌ」は非狩猟鳥獣にあたり、狩猟することはできないとされています。しかしながら、判別が容易ではない為、ハンターによる積極的な駆除が行われる事は稀にしかないということです。野犬が群れをなして家畜を襲うようなエリアでは、猟師による積極駆除を認めているようなところもあるようです。

  動物愛護先進国といわれているドイツでも、狩猟法では、狩猟動物を保護する目的で野良犬・猫の駆除を認めています。狩猟者は、合法的に野良犬・猫を殺すことができるのです。ドイツ全体での駆除数は年間猫 40万頭、犬6 万5千頭に達すると指摘する動物保護団体もあります。(※参照 「諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況」

 

 最近では狩猟系犬であるハウンド系が混ざっている野犬が保健所に収容されているのを目にします。同じく小型犬の血が入っているだろうと思われる野犬も収容されています。心無い飼い主や悪徳業者が山に小型犬を捨てるのです。狩りに使われていた狩猟犬が置きざりにされ、仲間をつくり、子供を産み野犬となった犬達。運が悪ければ、非情なハンターに撃たれるかもしれない生活を送っています。

 ハウンド系や小型犬の容姿を受け継いでいる野犬は、比較的人間に慣れやすいと言われています。自然繁殖で生まれた子たちであり、身体能力も高く、容姿も優れています。ハウンド系の血をひく最近の野犬たちも、ミックス犬としてペットショップで売られている子達と何ら変わりはない、むしろ優れた犬達なのです。