悲痛なペットロス、動物医療の医療ミスは専門化で減少するのでは?

2016年7月31日

末期がんの愛犬を襲った悲劇 「ペットロス」で怒りの提訴…飼い主が医療ミスを見抜いたワケ

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※写真はイメージです

家族同然の愛犬を失うと、多くの飼い主はペットロス(ペットを亡くした喪失感)に悩まされるという。まして、その死の原因が医療過誤だったとすれば悲しみはより深い。大阪市内のある一家もそうだった。飼い犬が死んだのは獣医師の処置ミスが原因だとして、動物病院運営会社(同市)に220万円の損害賠償を求め、大阪地裁に訴訟を起こした。一家の愛犬は内臓のほぼすべてをがんに冒されており、病院側は「死因は末期がんによる呼吸不全」と過失を全面的に否定した。訴訟の帰趨(きすう)を決したのは処置室に残された輸血用の血液パック。普通の人なら、見過ごしていただろう。原告は外科医だった。パックの残量で、あることに気づいたのだ。輸血する量も、速度もおかしい、と。

産経WEST より一部転載

飼い主が体感できない動物医療

 訴えた家族の父親が医師であったことから、輸血の量が明らかにおかしいと見抜き、訴訟をおこした事件ですが、この方が医師でなければ医療ミス発覚しなかったかもしれません。腹部全体に腫瘍ができた小型犬に残された時間は少ない、ということで自宅での見取りを視野にいれての自宅療養の為の輸血だったそうです。12年間をともに過ごした愛犬との別れは、自宅で静かに看取るという希望がかなわないばかりか、初歩的な医療ミスをするような病院を選んだ自分達を責めるような結果になってしまいました。

 上記のケースはやはり、医学の知識があったことが医療ミス発覚に到ったのですが、動物の医療となると人間の医療に比べ、自分が体感できないだけに、獣医の言いなりなってしまうことも多いのかと思います。原因不明の症状や、重度の疾患などでは、医者のいうことに頼るしかない場合も多々あるでしょう。治療がしっくりこない場合、セカンドオピニオンを求めることも最近は増えてきているようです。

 動物病院へ行く決め手となるのは、SNSも含め口コミが多いのではないでしょうか。同じ動物を飼っている方に聞くことになりますが、犬の場合ならお散歩をしている方に10人位聞いて回ると、大体その地域の動物病院の人気度がわかります。人気が高くても、相性と好みがあるので、二番手、三番手の病院の特徴がわかる場合もあります。治療というようより、病気はしておらずフィラリアやワクチンで行っている方もおられるので、治療歴のある方の意見は参考になります。

動物医療は専門分野の細分化、専門病院が望まれる

 人間の場合なら専門が細分化されている医療も、動物は獣医が基本すべての項目を診るということになっています。少し無理があるのでは?と言わざるをえません。最近では動物医療でも「〇〇に強い先生がいる」と評判になっている病院もあり、猫専門の病院などもそうですが、専門的な分野の掘り下げを行っていくという戦略が浸透してくれると、医療ミスも少なくなるのではないかと考えられます。

 いずれにしても、動物病院通いは人間にも動物にもストレスとなります。特に動物の場合は、通院自体が恐怖となる子も多いようです。飼い主である人間にとっては治療効果のない場合は出費も重なり、心労も溜まります。人間も動物も心と体に負担がかからない生活をして、病院に行かなくてもいい日常を心掛けたいですね。

貴重なウサギの医療過誤訴訟

 犬猫他ペットをめぐる医療過誤訴訟は昔より増加しており、それは家族としての意識が向上したからだと言われています。そして、ウサギの医療過誤について争われた極めてレアなケースが注目を集めています。

 ウサギの歯を治療する為、動物病院で診てもらったらウサギは顎の骨が折れ、そのせいで水が飲めなくなり、死亡したというものです。飼い主は獣医に対し134万円の賠償を求め、裁判所は骨折は獣医に責任があるとして43万円の損害賠償を命じたというものです。

 法的には「物」として扱われるペットですが、コンパニオンアニマルは家族であるという、本来の価値が認められて来つつある兆候ですね。

 

ペットのウサギが治療で骨折 「動物病院」に43万円の賠償命じる判決

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※写真はイメージです。

ペットのウサギが動物病院で歯の治療を受けた際にアゴの骨を骨折し、その3カ月後に死亡したとして、ウサギの飼い主の女性が東京都品川区の動物病院に約134万円の損害賠償を求めていた裁判で、東京地方裁判所(手嶋あさみ裁判長)は6月16日、動物病院に約43万円の損害賠償を命じる判決を下した。ペットの医療過誤訴訟は増えているが、ウサギの医療ミスについて賠償責任を認めた判決は極めて珍しいという。(中略)

ペットの医療過誤訴訟に詳しい渋谷寛弁護士は「ペットの医療過誤訴訟は犬などの例があるが、ウサギはかなり珍しいと思う。裁判例のデータベースでも調べてみたが、私が見た限りでは、ウサギの医療過誤について争われた裁判は1件もなかった」とコメントしている。

弁護士ドットコムニュース より一部転載